2008年月のTopic   教えてオルソケラトロジー!
9月トピック
 IT関連企業からオルソケラトロジーについてのインタビューを受けましたが、今回はその内容を紹介させていただきます。
ご参考になれば幸いです。
Q1 オルソケラトロジーが日本に普及し始めたのはいつ頃からですか?
Q2 『最新の視力回復術』として注目を集めていますが、消費者はどこに魅力を感じていると思われますか?
又、著名人で施術された方はいらっしゃいますか?
Q3 オルソケラトロジーを行うにあたり、考えられるリスクをお教えください。
Q4 レーシックと比較した時にお医者様の立場から見た「絶対的な違い」をお教えください
Q5 オルソケラトロジーを受けたいと来院される患者さんは、具体的にどのような方々ですか?
Q6 現在、視力回復術を検討している方にアドバイスをお願いいたします
Q1:オルソケラトロジーが日本に普及しだしたのはいつ頃からですか?

2000年に茨城県の眼科医が正式に臨床に導入されました。
それ以前にも神戸大学等で研究報告はされていたのですが、一般の患者さんに治療されるようになったのは2000年以後です。
しかしながら、日本での導入初期に眼科診療経験の無い医師が、商業的にマスコミを利用しての宣伝をして、医学サイドより商業ベースでオルソケラトロジーの名前が広まりました。
しかし、そうしたクリニックでは眼科診療経験が無いため、患者さんのトラブルも多発し、眼科専門医からオルソケラトロジーに対する不信感が高まり、普及の足かせになった経緯があります。
ここ1〜2年では、レーシックのトラブルやデメリットの反省から、再びオルソケラトロジーに注目する眼科専門医が増えつつあるようです。

Q2:『最新の視力回復術』として注目を集めていますが、消費者はどこに魅力を感じていると思われますか? 
   又、著名人で施術された方はいらっしゃいますか?

未成年でも保護者の同意が得られれば治療が可能で、特に小中学生で近視が急に進んだ方には視力悪化の抑制効果も期待され、子どもさんの視力を悪くしたくないという親御さんにとって非常に魅力的な治療だと思います。
医学的な臨床データでも近視進行抑制効果が報告されている治療です(当院からも2006年の国際近視学会にデータを報告させていただきました)。オルソケラトロジー
また、若いうちの視力だけではなく、中年以降に「老眼」が生じて本が読みにくくなったような場合でも、レンズを換えることで老眼症状を軽くするような「視力調整」が可能です。
近視治療を希望される方は20台の方が多いのですが、ほんの10数年後には今度は老眼で苦労することを考えると、若いときの「遠方」視力だけではなく、将来の対応まで考慮できるオルソケラトロジーは優れた治療だと考えます。

地方の滋賀県にある当院では、特に「著名人」と言われる方はおられませんが、私自身もオルソケラトロジーを行っており、治療前は0.1以下の裸眼視力が、2001年から1.5程度の視力を保っており、自動車の運転はもとより顕微鏡を使う眼科手術も問題なく執刀させていただいております。
Q3:オルソケラトロジーを行うにあたり、考えられるリスクを教えてください

コンタクトレンズを使用する治療ですので、一般のコンタクトレンズと同様の危険性があります。
不適切な使用をした場合、黒目(角膜)に傷をつける場合がありますし、花粉症をはじめとしたアレルギー症状が強いときや結膜炎を生じたときは休む必要があります。
眼に炎症が生じているときに無理にコンタクトレンズを使用すると、症状が悪化するだけでなく、角膜に細菌感染を生じる場合がありますが、当然、オルソケラトロジーも同様のリスクがあります。
オルソケラトロジーしかしながら、こういった症状は適切なレンズの扱いや、原因疾患をきちんと対応することで殆どは防げます。
オルソケラトロジーを行う場合は、一般のコンタクトレンズを使用する場合の注意事項を必ずお守りください
また、ドライアイが強い方等、眼のコンディションが変化しやすい方ではオルソケラトロジーを行った場合に視力が変動しやすい可能性があります。
こうした基礎疾患もきちんと対応する方が、より安定した快適な視力が得られます。
もちろん、レンズの洗浄を怠った場合、結膜炎等の症状が起こりやすくなることも、一般のコンタクトレンズを同様ですので、レンズのケアーも怠らないようにしてください。

Q4:レーシックと比較した時にお医者様の立場から見た「違い」をお教えください

一番の違いは「危険性」だと考えます。
レーシックは「手術」ですので、例えば失敗した場合、元に戻すことが出来ません。削った角膜は元に戻せないため、薄くなった患者さんの角膜が将来どうなるか誰にもわかりません。
最悪、角膜移植が必要になるという事実も報告されています。
レーシックをした患者さん自身がご存じないことが多いのですが、ドライアイはほぼ全員で悪化します。
たかがドライアイ・・・と思うかもしれませんが、健常者でも中高年以降、ドライアイで悩まれている患者さんは年々増えていて、これとて決定的な治療が無く、眼科医が治療に苦慮するケースもしばしばです。
眼科医の立場としては、レーシックの最大の問題点は20年、30年後、あるいはその先の将来に患者さんがどうなるか誰にもわからないことです。
まだレーシックの歴史は人類で最初に受けた患者さんから数えても20年足らずで、既にその短い歴史の間に、上記のような問題が報告されてきています。

オルソケラトロジーは、すなわちハードコンタクトレンズの歴史です。
ハードコンタクトレンズが普及し始めた1960年ごろから、この治療は始まっていました。手術に比較するとコンタクトレンズを使わなければいけない手間は残りますが、50年にも及ぶ歴史から、ハードコンタクトレンズの危険性やその対応は研究されており、きちんと使用すれば手術より安全であることは明白です。
安全であるがゆえに未成年でも世界的にこの治療が行われております
Q5:オルソケラトロジーを受けたいと来院される患者さんは、具体的にどのような方々ですか?

満足な視力を回復して眼鏡やコンタクトレンズから開放され、裸眼で生活をしたいと希望される方々です。
その年齢層の内訳が、2000〜2003年ごろは成人の患者さんが多かったのですが、レーシックのコマーシャルに押されてか、2004年ごろからは圧倒的に未成年が多くなっています。
特に全国展開するレーシック手術医院のマスコミ出現度が増えて、成人患者さんはまず手術を第一選択に考えるようになり、友人からの紹介割引等も影響し特に20台の近視治療希望者のレーシック選択施行が高くなったようです。

前述のように、オルソケラトロジーは未成年でも保護者の同意が得られれば治療が可能で(レーシックは未成年には倫理上施行しません)、特に小中学生で近視が急に進んだ方には視力悪化の抑制効果が期待されることも、未成年患者さんが増えている大きな理由かと思います。
また、手術をしたくはない方で、眼鏡を掛けずに過ごしたい方には、将来必要となるコンタクトレンズの経費を考えると、オルソケラトロジーの治療費の方が殆どの方では安く済みます。
総合的に一般のコンタクトレンズより医学的にも経済的にも利点が多いことを理解された方はこの治療を希望されるようです。

Q6:現在、視力回復術を検討している方にアドバイスをお願いいたします

現時点で、完全な近視治療は存在しません
レーシックにせよオルソケラトロジーにせよ、将来の医学の発展でさらに良い近視治療が生まれる可能性が高いと思います。
その場合に、より良い治療に移行していただくことが、将来の患者さん自身の眼の安全に繋がると思います。
オルソケラトロジーは何度でもやり直しができ、もしよりよい治療が開発された場合でも問題なく新しい治療を受けていただくことができます。
しかし、レーシックの場合は一度角膜を削って薄くしてしまうと、次世代の治療に移行することは困難な可能性が高いと思います。
今でも、オルソケラトロジーを中止してレーシックを受けることは可能ですが、レーシックで失敗してオルソケラトロジーを行っていただく場合は容易ではありません。
一番大事なことは、本当にご自身にとって近視を治すことが必要なことかをお考え下さい。
眼鏡やコンタクトレンズではダメなのか、何故それでは不都合なのか。
オルソケラトロジーは視力回復を体験できます。
手術を考える前に、一度、裸眼視力が良くなる体験をして、それでも手術が必要なのかを考えていただくことをお勧めします。

それぞれの治療の利点、欠点を理解して、いずれの治療も合併症は皆無ではないため、トラブルを生じた場合にきちんと対応できる眼科専門医に治療を行っていただくことをお勧めします。
また、治療費の安さを前面に広告している施設は、技術が伴わない場合も多いようですのでご注意下さい。

▲上へ

おぐり眼科おぐり眼科トップへ