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| 前回に続いて眼瞼下垂の話をさせていただきます。 |
信州大学形成外科の松尾教授が、「眼瞼下垂手術の本来の目的は頭痛、肩こり、不眠、疲労などを除く機能的 なものである」と述べておられます。
その理由は、眼瞼下垂が人間の身体に何を引き起こすかを考えると理解できます。 |
瞼が下がる原因は、瞼を上げる働きを持つ「眼瞼挙筋」の先端部「挙筋腱膜(筋肉の先端部の硬くなった部分)」が、本来張り付いているはずの「瞼板(瞼の中にある比較的硬い板状の組織)」から外れてしまい、筋力が伝わらず瞼を引き上げられなくなるためです。
そうすると瞼の代わりに無意識に額の筋肉に力を入れることで、眼を開け続けようとします。この状態が「代償期」と呼ばれる、眼瞼下垂の初期症状です。
「代償期」に瞼の下がりを指摘させていただいても、殆どの患者さんは一見目は開いていますので、「そんなばかな。」と驚かれます。また、その重要性(将来のご自身の老化に繋がる)を理解いただくことが容易ではないのが現状です。
しかし、瞼を開けるように身体がすでに無理をしていますので、頭痛、肩こり、不眠、疲労など、いわゆる「不定愁訴」と言われる症状が起こっていることが多いのです。 |
眼瞼下垂が始まっていても無理に目を開けようと額の筋肉が緊張(おでこに皺がよってきます)していると、身体が緊張したときに働く「交感神経」の過緊張が続くことになり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
交感神経が緊張した状態は、例えば、人前で何かの発表をするとき、スポーツの試合の直前、初めてのデート(!?)など、心臓がドキドキする場合を考えていただけば想像できるかと思います。
その「ドキドキ」した緊張がずっと続きリラックスできる時が無くなるとしたら・・・身体に多くの異変が起こることは容易に予想できるのではないでしょうか? |
交感神経の過緊張が引き起こす症状に、記憶力の低下、イライラの継続、怒りやすい(キレやすい)、低体温(全 身の血行悪化)、視力低下、視野狭窄、流涙、ドライアイ、眼痛、頭痛、高血圧、白髪、脱毛、肩こり、冷え性、不眠、めまい、鼻づまり、聴覚過敏、耳鳴り、突発性難聴、喘息、便秘、下痢、尿失禁、緑内障、網膜中心動脈閉塞、網膜静脈閉塞、下腿静脈瘤、皮膚の白斑、下腿浮腫、痔、狭心症、糖尿病、腰痛、歩行障害、眼瞼痙攣、腰を曲げて歩く、嗅覚低下、鬱など、全身の数多くの症状が挙げられると思います。 |
中高年以降の年代の方では、上記の症状のいくつかをすでに自覚されているのではないでしょうか? 年のせいだと諦めてはいませんか? |
栗橋克昭医師(栗橋眼科 院長)は著書で眼瞼下垂手術後に上記のような症状の改善例が多いことを報告されています。
当院でも術後に同様の効果を確認していますが、「全身の交感神経過緊張緩和」効果、すなわち「全身の血行改善」が老化症状の改善に繋がるのではないかと思われてなりません。 |
栗橋医師は眼瞼下垂症が「全身のアキレス腱」であると表現されています。全く同感です。瞼は重力に逆らって働いているわけですが、地球上の何処にいても誰も逃れることができない「重力」と「瞼」の関係に、人類が気づいていない生命の神秘、「老化」の秘密が隠されているのかもしれません。
抗加齢医療(アンチエイジング)があちこちで叫ばれていますが、眼瞼下垂症の治療こそ一番効果のあるアンチエイジングだと考えられます。 |
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