MM 様
お問い合わせありがとうございます。
> わざわざオルソケラトロジーというのは、どんなメリットがあるのでしょうか?
反対に手術を何故選択されるのでしょうか?
手術の危険性を本当に理解されている方でしたら、積極的に“近視”手術を選択されないことと思います。
当院でレーシックを行わないのは、患者さんの術後の安全性に疑問があるからです(日本の多くの眼科医はそのためにレーシックを導入しない場合が多いようです)。
今月、アメリカの屈折矯正学会に出席しましたが、特にレーシックに関して主に議論されているのは「いかに合併症を減らすか」という点です。
結論を言うと、現状では完全に術前の状態で予測して合併症をなくす方法はありません。
手術には合併症は必ず存在しますが、それ以上に手術による利点があるからこそ患者さんは手術を選択されるはずです。
「病気」に対しては薬物療法(保存的治療)で効果がなければ手術を選択肢に考えます。
しかし、現状の「近視」手術は、全く異常のない「角膜」を削る手術です。「近視」を手術するわけではありません。「角膜を人工的に薄くする(非生理的状態にする)」ことで、その「副作用」として近視が少なくなることを、<近視手術>と呼んでいるのです。
具体的な合併症に関しては、いろいろな医療機関のサイトを見ていただければ記載されていることと思いますが、どの合併症も現状では完治させる方法は無いのです。
例えば必ず生じる合併症にドライアイがあります。これひとつとっても、実際に年齢とともに悪化した場合、患者さんにとってはかなり辛い症状となります。(視力自体が安定しなくもなります)
また、やはり全員に生じる問題として、老眼症状が早く起こるようになります。
老眼に関しては当院ではCKという比較的安全性の高い治療が可能ですが、これが出来るのは日本でまだ数施設しかありません。
私はオルソケラトロジーの最大の利点は、将来につながる弊害を殆ど生じない点だと考えています。そのため のデメリットとして、毎日のコンタクトレンズケアーが必要なのです。
また、現状では近視の完全な治療は存在しません。どの治療も必ず利点と欠点があります。手術とオルソケラトロジーはお互い反する利点と欠点を持っています。
> レーシックを受けてみて、失敗・もしくは視力回復しなかった場合には、手術が無駄になる・もしくは近視がひどくなり取り返しがつかないという意味ですか?
ご指摘のとおりだと思います。
特に近視の強い方では、再手術は相当危険性が高いためお勧めできません(角膜が薄くなり、眼球の強度自体が低くなります)。
美容整形手術とレーシックはよく似ていて、ほとんどの場合は患者さんの満足度が中年時までは良いのですが、10年程度の臨床データしかないため、長期的な安全性はまだわかっていません。アメリカのマイケル・ジャクソンが最高レベルの美容整形手術を受けていながら、年数が経って顔が崩れてきていることをご存知かと思います。
少なくとも、私自身は自分でオルソケラトロジーをしていて、その効果と安全性に自身を持ったからこそ、この治療を始めました。しかし、自身ではレーシックは受けたくありません。自分が受けたくない治療ですから当院では行わないというのが、私の方針です。
また、オルソケラトロジーは技術的にはレーシックより高い医療技術が求められると思います。
これをきちんと研修できる機会が日本ではないのが現状です。
また、今の治療費では一般眼科にとって積極的に行っていくには、経営的に厳しいかと考えます。
以上から、日本で一般眼科医が取り入れるには、どうしても消極的にならざるを得ないと思います。
オルソケラトロジーのメリットは体験して、視力回復状態を実感後、治療するかどうか決められる点にもあります。
いろいろと悩むよりは一度体験いただくことが、一番納得いただける方法だと思いますので、よろしければ一度体験をご検討下さい。 |