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  2007年 1月のTopic  【中心性網脈絡膜症】
●今回は、中心性網脈絡膜症

この病気は、黄斑付近の網膜に栄養分を供給する血管から血液中の水分がにじみ出て、この水分が黄斑付近(色素上皮層と脈絡膜の間)に溜まることで発症します。
視力が低下することもあり、失明したりすることはありませんが、再発しやすく、腫れのひいた後も、網膜にシワができて物が多少ゆがんで見えることがあります。
20〜50歳(なかでも30〜40歳)の人に起きやすく、20歳以前や50歳以降の発病はまれです。
また、男性の発病頻度は女性の3倍と高くなっています。
身体や心がリラックスしているときよりも、過労や睡眠不足のとき、ストレスが溜まったときに発病しやすいという傾向があります。
つまり、働き盛りの人、とくに男性が、仕事などで無理が重なったときに起こりやすい病気といえます。
通常は片側の目に起こり、両目同時に発病することはまずありませんが、時期をずらして反対の目に発病することはあります。

中心性網脈絡膜症の眼底写真
主な症状
視力低下 網膜剥離のために網膜細胞の機能が障害され、視力が低下することがあります。
ただし、ふつうは悪くても 0.5程度までにとどまります。
中心暗点 黄斑の網膜細胞の機能低下で、視野の中央部分が周辺部に比べて
暗く感じられることがあります。
変 視 症 黄斑の水ぶくれのため、物がゆがんで見えることがあります。
小 視 症 物が小さく見えることがあります。
色覚異常 実際の色と違って見えることがあります。
遠   視 水ぶくれの分だけ網膜の位置が前に移動することになり、軽い遠視になることがあります。

検 査

検査としてはまず、視力検査、アムスラーを行います。
黄斑部の腫れは、眼底検査によって調べられます。
水が漏れている場所を特定する場合は、蛍光眼底造影検査という検査を行います。
この検査は、腕の静脈から蛍光色素を注射してから眼底写真を撮るもので、色素上皮の裂け目から蛍光色素が漏れてくるのがわかります。

治 療

治療としては、まず心身の安静を守り、網膜の黄斑部の腫れを取り除くために薬を使用します。
通常、数ヶ月から1年程度で治りますが、再発を繰り返す場合もあります。
腫れが強い場合や再発を繰り返すときには、蛍光眼底造影検査で見つけた水漏れ部分に、光凝固療法を行います。
この治療は、水漏れ部分にレーザー光線で光凝固して患部を固め、水漏れの広がりを止めます。
大体3週間程度で腫れがひきます。
しかし、光凝固法も、検査の結果水漏れ部分が黄斑部中央付近(中心窩)に近い場合には、行うことができない場合もあります。

〔光凝固ができないケース〕

・漏出点がはっきりしない
  蛍光眼底造影を行っても、なかには漿液の漏出点が確認できない場合もあります。
  この場合、光凝固はできません。
・漏出点が中心窩〈ちゅうしんか〉付近にある
  中心窩とは、黄斑の中心にある視力が最も鋭敏な一点です。
  中心窩の機能が失われると、視力は0.1以下になってしまいます。
  漏出点が中心窩と重なっている場合は光凝固はできません。

〔光凝固がすすめられるケース〕

・3か月経過しても水がひかない
  黄斑の水ぶくれが長期に及ぶと、水がひいた後にも視細胞の機能が回復しないことがあるため、
  光凝固での治療がすすめられます。

この病気は再発しやすく、腫れのひいた後も医師から指示された生活上の注意を良く守り、過労を避け、精神的ストレスのたまらない生活を心がけましょう。
また、定期的に眼底検査を受けるようにしましょう。

参 考
中心性網脈絡膜症と同じ黄斑の病気のひとつに、近年患者数が急に増えている加齢黄斑変性があります。
これは、黄斑部に通常では存在しない新生血管という異常な血管が伸びてきて、適切に治療されないと極端な視力障害に至る病気です。
中心性網脈絡膜症の病歴がある人は、加齢黄斑変性を発病しやすい傾向があります。
加齢黄斑変性の初期は、中心性漿液性網脈絡膜症と症状が似ていますが、治療は目的も方法も異なり、病状によっては少しでも早くレーザー光凝固をしたほうがよい場合もあります。
中心性網脈絡膜症は、再発傾向のある病気です。治療後に、もし再び見え方が異常になった場合、それが本当に再発によるものなのか、加齢黄斑変性の可能性はないのかを確かめる必要があります。
とくに50歳を超えた方は、中心性網脈絡膜症は少なく、加齢黄斑変性が疑われますので、すぐにでも眼科を受診しましょう。
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